ふくいアグリネット>稲作情報

No.10
since 2007.5.25
last_update 2007.8.10
〜稲作情報について〜
稲作情報は、安定した稲作の参考としていただくために、編集しております。なお、編集につきましては、県内代表地点における生育調査結果と気象情報を参考にしております。


稲作情報作成委員会、水田農業レベルアップ委員会技術普及部会
                 (農業試験場農業技術経営課農畜産課JA経済連)より
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■お問合せ先
・具体的相談は、最寄の農業経営支援部課、またはJA(JA福井県中央会のリンク集をご参考ください)にお問合せください。
今回のポイント
◎梅雨明け後暑い日が続く、間断通水の徹底を!!
◎根群発達が劣っている、葉の枯れ上がりに注意!!
◎葉色の圃場差が大きい、
   葉色の把握に努め、胴割れ対策を!
◎出穂は遅め、病害虫防除は適期に
現  況
気象の概要(福井地方気象台)
1) 梅雨明けは8月1日と平年よりも10日遅く、前年よりも2日遅れた。
2) 台風5号の影響で、8月1日〜3日(3日に福井に最接近)にかけて強風、フェーンとなった(日本海を北上した)。福井の最小湿度は1日は31%、2日は43%、3日は46%、3日の平均風速は8.0m/s、最大風速は13.3m/s、最大瞬間風速は23.6m/s、であった。
3) 8月2日〜8日の1週間、平均気温は29.0℃(平年比+1.8℃)、最高気温は33.8℃(平年比+1.9℃)、最低気温は24.5℃(平年比+1.2℃)、降水量は8.5mm(平年比34%)、日照時間は50時間(平年比105%)、日射量は19.8MJ/u(平年比108%)と、その前の1週間(7月26日〜8月1日、 平年比で平均気温-2.4℃、最高気温-2.7℃、最低気温-2.5℃、降水量55%、日照時間94%、日射量100%)と傾向が変わった。

生育の状況
1) 農試気象対策試験(5月2日移植)では、出穂期はハナエチゼン7月21日(平年比1日遅い)、コシヒカリ8月1日(平年比2日遅い)、イクヒカリ7月31日(平年比3日遅い)と、やや遅くなった。
2) 農試気象対策試験の出穂期の乾物重では、ハナエチゼンの地上部乾物重は器官別に大小はあったが、地上部全体で平年比100と平年並であった。しかし根重は平年比84%と小さく、T-R比が平年比119と大きくなった。枯葉重が平年の170%と大きかった。葉身の乾物重は平年比101%で、LAIは平年比104%、SLAは平年比103となった。
3) コシヒカリの出穂期乾物重も、ハナエチゼンと同様の傾向を示し、地上部全体で平年比98と平年並、根重は平年比75%と小さい、枯葉重は平年の180%と大きい、T-R比は平年比130%と大きい。
4) 農試気象対策試験(5月2日移植)のハナエチゼンでは、8月10日(出穂後20日)現在、籾水分は36〜39%となっている。出穂後日数からみた籾水分は例年並みである。
5) 県内各地の出穂状況は、圃場差や地域差が大きいが、ハナエチゼンで7月20日〜7月26日頃、5月上旬移植のコシヒカリで8月1日〜6日頃、5月中旬移植のコシヒカリで8月4日〜9日頃となっているものが多いようである。出穂期〜穂揃期の止葉の葉色(SPAD値)も圃場差が大きく、ハナエチゼンで31〜40程度、コシヒカリで28〜38程度と幅が大きい。平均的にはハナエチゼンで33〜35程度、コシヒカリで31〜34程度のものが多いようである。強風等による葉先枯れの影響で葉色がわかりにくいが、全体として、やや淡い傾向となっているようである。
6) 圃場内で、部分的に倒伏している(大きくなびいている)ものがみられる。

病害虫発生状況
1) 県内各地でいもち病が確認されている。
2) 茎数過剰なところで紋枯病の水平進展、垂直進展がみられる。
3) コブノメイガやイネアオムシ、ニカメイチュウが局所的に発生し、一部で多発となっている。発生がダラつき、防除期の見極めが難しいところもある。
4) 斑点米カメムシ類は、全体的には発生は多くないが、発生量の地点による差が大きい、という状況となっている。

対  策
◎ 圃場による生育(出穂期や葉色等)の差が大きい。各圃場の圃場条件や生育状況を把握し、それらに応じた適切な管理を行うように努める。

肥培管理
1) 水管理
 収穫直前まで、間断通水を励行し、稲体の活力を保つ。登熟を良くし、胴割米の発生を抑制するためにも、稲の蒸散にみあうだけの吸水は必要となる。表面の土が乾かないようにして、”うわ根”の活力低下を防ぐ。登熟期の水管理を適切に行うことは大切である。
2) 適期収穫
 刈り遅れは、胴割米の増加を招くので、絶対に刈り遅れない。
 刈取開始時期は、籾水分が25%以下となるとき、となる。厳密には、圃場ごとに籾水分を測定するのがよい。おおまかには、出穂後の積算温度(出穂後1日後から毎日の日平均気温を足していった値)で推定する。近年の気象状況から、ハナエチゼンで860度、コシヒカリで990度を目安としてきた。昨年、農試の成績で、実際はこれよりもやや高い積算温度で籾水分25%となる、という報告もあるが、本年の水稲の根群形成がやや劣る、8月初旬にフェーンに遭遇した、という状況を考慮すると、これまでの値を用いるのがよいのではないかと思われる。各地で出穂期を把握し、積算温度がこの目安数値に近づいたら、実際に籾水分を測定し、必ず籾水分を確認する。今年は圃場による生育差が大きいので、特に注意が必要である。

 胴割れ発生注意報の発令基準(暫定)
 @農試気対圃場の出穂期の根重が平年の80%以下
 A出穂後20日間(出穂後0日〜19日=登熟前半)の平均気温が28℃以上
 B出穂期〜穂揃期の止葉のSPAD値が33以下(コシヒカリ)、36以下(ハナエチゼン)
 以上3項目のうち、2項目以上が該当する場合、胴割注意報を出す。

 本年のコシヒカリは、@は該当する、Bは該当する圃場が多いようである、と稲体の条件としては、胴割れを起こしやすい条件となっている。但し、上記の基準はあくまで も「暫定」であり、今後の稲体の状態の推移や、気象条件のAについて、今後の気象経 過の動向を注意深く観察し、判断することが必要である。

   各地、各圃場で、出穂期〜穂揃期の止葉の葉色(SPAD値)を確認すること。
   また、8月20日頃の稲体の状況(葉色や生葉数など)を観察すること。

 ハナエチゼンでは、@は該当の境界近い、Bは該当する圃場もみられる、しかし、Aは、7月中の気温が低かったため該当しない。全体的には、コシヒカリよりも胴割れの危険は低いと思われる。けれども、出穂が早かったものや葉色の淡いもの、作土の浅い圃場、砂質で地力の低い圃場等を中心に刈り遅れないように注意する。

   籾水分の把握に努め、適期収穫を心がける。

病害虫防除
1) 穂いもち
 粉剤での防除については、1回目は既に散布されていると思われるが、2回目は穂揃い直後が防除時期となる。
2) 斑点米カメムシ類
 粉剤の防除時期は、1回目は穂揃期、2回目は糊熟初期である。スタークル粒剤やアルバリンの粒剤は、出穂7日後に湛水状態で散布する。
農薬の使用にあたっては、使用基準を遵守する。
病害虫発生予察情報   http://info.pref.fukui.jp/shokuan/kankyou/syokubou/hyousi.html
水稲の生育状況を把握し、適期管理に努めましょう。
上記の詳しい資料はこちら (PDF:343KB) i稲作情報QRコード
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