ふくいアグリネット>稲作情報

No.8
since 2007.5.25
last_update 2007.7.13
〜稲作情報について〜
稲作情報は、安定した稲作の参考としていただくために、編集しております。なお、編集につきましては、県内代表地点における生育調査結果と気象情報を参考にしております。


稲作情報作成委員会、水田農業レベルアップ委員会技術普及部会
                 (農業試験場農畜産課JA経済連)より
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■お問合せ先
・具体的相談は、最寄の農業経営支援部課、またはJA(JA福井県中央会のリンク集をご参考ください)にお問合せください。
今回のポイント
◎遅植えや直播では、生育量の確認をして、倒伏対策を!!!
  (幼穂形成期の草丈、茎数、葉色で判断!!)
◎5月上旬植えコシヒカリの倒伏軽減剤使用は適期に!!
◎今週末、台風接近! 深水で稲体の保護を!!
◎各地で葉いもちの発病を確認 !! 穂いもち防除の励行を !!
現  況
気象の概要(7月5日〜7月11日、福井地方気象台)
1)
典型的な梅雨空となった前週とはやや様相が異なった。曇りや雨の日もあったが、7月7日〜9日は晴れ間があった。7月10日には18.5mmの降雨となった。
2) この期間、平均気温は23.6℃(平年比-0.6℃)、最高気温は24.4℃(同-3.6℃)、最低気温は20.8℃(同-0.2℃)、降水量は26.5mm(同42%)、日照時間は21.1時間(同75%)、日射量は14.7MJ/u/日(同99%)であった。

生育の状況
1) 農試気象対策試験(5月2日移植)では、いずれの品種も、草丈は平年比101〜106と平年並〜やや長め、葉齢の進み方も平年比-0.1葉〜-0.3葉と前回とほぼ変わらなかった。1株当たり茎数は前回よりもやや低下したが、コシヒカリで平年比106、イクヒカリで平年比124、葉色も前回よりも低下したが、コシヒカリで平年比110、イクヒカリで平年比100と、ばらついた。幼穂形成期はコシヒカリで7月8日(平年比1日遅い)、イクヒカリでは7月7日(平年比4日遅い)となった。コシヒカリやイクヒカリでは、今週1回目の穂肥が施肥された。ハナエチゼンでは、止葉が展開中で、葉耳間長0cm間近かである。
コシヒカリでは、上位第5節間の伸長がほぼ終了し、現在上位第4節間が伸長中である。上位第5節間が6〜7cmまで伸びている茎もかなりみられる。
坂井実践農場の5月2日移植のものでは、茎数はコシヒカリでは平年並、ハナエチゼンやイクヒカリでは多かったが、葉色は全般的に淡かった。また、イクヒカリの幼穂形成期は7月9日と平年より1日遅かった。
2) 農試の5月11日移植コシヒカリでは、草丈は平年比93と前回並であった。葉齢の進み方も平年比-1.1葉、1株茎数は前回より減少し、23.0本となった。葉色も前回とあまり変わらず4.5と平年よりも濃い傾向が続いている。幼穂形成期は平年よりも4日遅く、7月13日となる見込みである。実践農場5月9日移植コシヒカリでも、茎数は多かった。 葉色は4.0と前回よりも0.5程度低下した。7月9日に平年より1日早く幼穂形成期となった。
3) 現地の5月上旬植えは、圃場による差は大きいが、平均茎数が500本/uを上回り、平年よりもやや多く経過している。葉色は前回調査から低下し、平年値に近づいた。
4) 5月中旬植えでも、圃場による差は大きいものの、茎数は前回(最高分げつ期)の調査よりも減少し、620本/u〜440本/u程度となった。葉色は依然平年よりも濃い状態が続いている。
5) 湛水直播では前回調査よりも茎数が減少した。6地点の平均で574本/u(683本/u〜472本/u)、葉色は前回よりもやや低下したものの、依然4を上回っている。農試の4月19日播種のコシヒカリやイクヒカリでは7月9日頃に幼穂形成期となった。

病害虫発生状況
1) 県内各地で葉いもちの発生が確認されており、上位葉に病斑がみられるものもある。発病の多い地点もあり、今後の広がりが懸念される。梅雨入り以降、天候不順や稲体の軟弱化もあり、発病しやすい条件となっている。早生の出穂期も近づいており、穂いもちの発病に注意が必要である。
2) 今のところ紋枯病の発生面積は平年より少ないが、常発地、前年多発した圃場を中心に、発病に注意する。今後、気温上昇に伴い、上位葉への進展に注意する。
3) 虫害関係では、ニカメイチュウが前年多発した地域を中心に局所的に発生している。  第2世代の粉剤による防除時期は8月初旬頃と想定される。
4) カメムシ類の発生は、県下平均では少ないが、地点により差がみられ、坂井や奥越、丹南、二州、若狭では発生の多い地点もある。また、発生しているカメムシの種類が変化し、飛翔性カメムシが増加している地点もある。さらにクモヘリカメムシの生息地が拡大しており、注意が必要である。

対  策
◎本年も移植時期や圃場による生育差が大きい傾向が続いているので、圃場ごとに生育状況に応じた管理を心がける。
 遅植えや直播のコシヒカリでは幼穂形成期頃となっているものと思われる。稲の状態を把握して、倒伏対策の要否を判断する時期となっている。
移植栽培(移植時期:5月上旬まで)
1) ハナエチゼンについて
 間断通水を収穫直前まで継続し、根に水分と空気を供給して稲体の活力維持に努める。2回目穂肥がまだのところでは、1回目穂肥の10日後を目安に施肥する。
 穂ばらみとなっているものもみられ、穂いもちや斑点米カメムシの防除時期が近づいている。薬剤の特性を把握し、適期防除に努める。
2) コシヒカリについて
@水管理
 間断通水を励行し、根に水分と空気を供給する。
A倒伏軽減対策
 幼穂形成期に「草丈×茎数×葉色」の値を把握されていると思われるが、「草丈×茎数×葉色(葉色板)」の値が16万を超える場合、「草丈×茎数×葉色(SPAD)」の値が146万を超える場合、止葉から数えて上位第3葉身長が45cmを超える場合、など倒伏程度が大きくなると推測された場合は、倒伏軽減剤を使用する。スマレクト粒剤は出穂前15〜10日に10aあたり2〜3kg(湛水して均一散布)、ビビフル粉剤DLは出穂前10〜5日に10aあたり3〜4kg(茎葉部に均一散布)というように、使用する薬剤によって使用方法や注意事項が異なるので注意する(スマレクト粒剤の使用時期は、穂肥1回目と2回目の中間にあたり、ビビフル粉剤DLでは穂肥2回目の直後頃にあたるので、使用時期を間違えない)。
B穂肥(分施体系のもの)
 1回目の穂肥時期頃となっている思われる。穂肥施肥がまだのところでは、幼穂長が10mmとなったのを確認して穂肥を施肥する。施肥量や施肥時期を決めるにあたっては、幼穂形成期(幼穂長2mmとなったとき)の草丈、茎数、葉色をもとに「穂肥くん」を参考とする。
 基肥一括施肥のものでは、間断通水により肥効の発現を促す。
3) イクヒカリについて
 5月上旬に移植されたイクヒカリでは、既に1回目の穂肥が施肥されていると思われる。2回目穂肥を確実に施肥して葉色を濃くし、登熟期まで葉色を維持するよう、穂肥施肥(確実な穂肥施肥)と水管理(収穫直前までの間断通水)を行う。
 イクヒカリは、短稈で倒伏しにくいこともあり、穂肥は積極的に施肥する。地力の低いところであっても、登熟後半まで葉色を維持するように努める。
 また病害虫では紋枯病やニカイチュウに注意する。

移植栽培(移植時期:5月中旬以降)
 圃場による生育差が大きいが、幼穂形成期頃となっているようである。先週より草型は改善されているものの、全般的に軟弱な生育が続いているようである。茎数が多くて葉色が濃い、葉が垂れている、など倒伏の危険性が高いと思われる場合は、5月上旬移植のコシヒカリに準じ、倒伏軽減剤の使用を検討する。
1) 中干し
 間断通水に努める。中干しが不十分な圃場では、通水の間隔をやや長くするなど、出穂までに土を固めるよう努める。
2) 倒伏軽減対策
 ほぼ、幼穂形成期となっていると思われる。幼穂形成期の「草丈×茎数×葉色」の値を把握し、倒伏軽減剤の使用を検討する。移植コシヒカリで倒伏の危険性が高いのは、「草丈×茎数×葉色(葉色板)」の値が16万を超える場合、「草丈×茎数×葉色(SPAD)」の値が146万を超える場合、止葉から数えて上位第3葉身長が45cmを超える場合であるが、移植時期の遅いものは、茎が細く、葉色が濃いまま経過する傾向にあるので、倒伏対策には一層の注意が必要である。
3) 穂肥(分施体系の場合)
 基肥一括施肥でないものでは、幼穂長を確認して穂肥を施肥する。施肥時期や施肥量は、5月上旬移植に準ずる。また、幼穂形成期の「草丈×茎数×葉色」の値をもとに「穂肥くん」を参考にして穂肥を決める。

湛水直播栽培
 圃場による生育差が大きいが、生育過剰で稲体が軟弱なものが多い。また、中干しが不十分な圃場もみられる。生育状況をよく観察する。
1) 水管理
 幼穂形成期以降は、間断通水に努める。中干しが不十分な圃場では、出穂までに土を固めるよう努める。
2) 倒伏軽減対策
 播種が早かったものなどでは幼穂形成期となっているが、幼穂形成期の「草丈×茎数×葉色(葉色板)」の値を把握し、倒伏対策の要否を判断する。倒伏の危険が高まる値は移植のものよりも小さく、12万を超えると倒伏の危険性が高まる。倒伏軽減剤の使用を検討する。
 直播栽培では、移植よりも根群が浅く、茎1本あたりの乾物重も小さいことなどから、移植よりも倒伏しやすいので注意する。
3) 穂肥(分施体系の場合)
 幼穂長を確認して、穂肥を施肥する。

病害虫防除
1) 葉いもち対策、穂いもち対策
 県下全般に葉いもちが散見される。特に稲体が軟弱なもので、発生が多いようである。田植後約2か月経過し、粒剤の残効もこれ以上は期待できない面もあり、発病に注意が必要である。発病をみたら、治療・予防効果がある粉剤や水和剤で防除する。
 また、早生で出穂が近づいており、適期穂いもち防除に努める。
2) 紋枯病対策
 前年、発病の多かった圃場では、菌核が圃場に残り、今年も発生が多くなることが予測される。早生の穂ばらみ期(7月中旬頃)に発病株率が10%以上であれば、防除する。また中生では、穂ばらみ期(7月下旬頃)に発病株率が20%以上であれば防除する。
3) 害虫対策
@カメムシ類
 稲の出穂前に畦畔や農道の草刈りをこまめに行い、カメムシの生息場所をなくすように努める。ただし、出穂期頃の草刈りは、カメムシの本田侵入を助長するので、行わない。
 薬剤防除は、使用する薬剤によって散布時期が異なるので注意し、適期防除に努める。
 クモヘリカメムシの発生がみられる圃場では、MR.ジョーカーの成分を含んでいる薬剤で防除する。
Aニカメイチュウ
 前年にニカメイチュウが多発した地域では、直播や遅植え、モチ品種を中心に、変色茎の発生に注意する。また、第2世代の粉剤による防除時期は8月初旬頃と予測されている。
4) 稲体が軟弱なので、特に注意
 5月中旬以降の移植栽培や湛水直播栽培は、5月上旬移植に比べて稲体が軟弱で、細い茎が多くなるので、葉いもちや害虫の被害が大きくなりやすい。生育も旺盛であり、葉いもちや害虫の発生に注意し、早期防除に努める。

病害虫発生予察情報   http://info.pref.fukui.jp/shokuan/kankyou/syokubou/hyousi.html
農薬の使用にあたっては、使用基準を遵守する。

台風対策
1) 強風により、稲体が傷むのを防ぐよう、深水にして保護する。強風やフェーンの危険が過ぎたら落水し、間断通水を励行する。
2) 冠水した圃場や風当たりが強かった圃場では、白葉枯病や黄化萎縮病、アワヨトウの発生に注意し、初発段階で防除できるようにする。
3) 早生品種で出穂の早いものでは褐変籾の発生に注意し、穂いもち防除とあわせ、ブラシン等の散布を行う。
4) 肥料や薬剤の散布を予定している場合は、台風通過後まで遅らせ、流失を避ける。
出穂前のこまめな畦畔の草刈りで、斑点米の発生を少なくしましょう。
水稲の生育状況を把握し、適切な管理に努めましょう。

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No4(6月14日)分

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