ふくいアグリネット>稲作情報

No.7
since 2007.5.25
last_update 2007.7.6
〜稲作情報について〜
稲作情報は、安定した稲作の参考としていただくために、編集しております。なお、編集につきましては、県内代表地点における生育調査結果と気象情報を参考にしております。


稲作情報作成委員会、水田農業レベルアップ委員会技術普及部会
                 (農業試験場農畜産課JA経済連)より
ふくいアグリネット。へ
■お問合せ先
・具体的相談は、最寄の農業経営支援部課、またはJA(JA福井県中央会のリンク集をご参考ください)にお問合せください。
今回のポイント
◎遅植えや直播を中心に、草型が乱れている!!!
   (茎数多めで葉色が濃く、葉が垂れた状態が続いている)
◎幼穂形成期の草丈、茎数、葉色をもとに倒伏対策を!!
◎葉いもちの発病に注意!! 今後の病害虫情報に注目!!
現  況
気象の概要(6月28日〜7月4日、福井地方気象台)
1)
前週に引き続き、曇りや雨という梅雨空の日が続いている。6月29日には71.5mm、7月2日には46mmの降水量があった。
2) この期間、平均気温は23.3℃(平年比+0.2℃)、最高気温は26.9℃(同-0.2℃)、最低気温は20.7℃(同+0.8℃)、降水量は134.0mm(同213%)、日照時間は 5.7時間(同22%)、日射量は 9.2MJ/u/日(同64%)であった。

生育の状況
1) 農試気象対策試験(5月2日移植)では、いずれの品種も、草丈は平年比98〜104と平年並、葉齢の進み方も平年比-0.2葉〜-0.3葉と前回とほぼ変わらなかった。茎数は前回(最高分げつ期)よりもやや低下した(日本晴は前回よりも茎数増加)が、平年比101〜112と平年並〜やや多めとなった。葉色は前回に比べあまり低下せず、平年比106〜119とやや濃い傾向が続いている。ハナエチゼンは6月27日に幼穂形成期(平年より1日早い)となった。
坂井実践農場の5月2日移植のものも葉齢の進み方や葉色の傾向は農試とやや異なるが、やはり茎数は平年並〜多かった。ハナエチゼンでは、前回調査時よりも茎数が増加した。また、ハナエチゼンの幼穂形成期は6月25日と平年より2日早かった。
2) 農試の5月11日移植コシヒカリでは、草丈は平年比93と前回の81より差は縮まったが、依然やや小さかった。葉齢の進み方も平年比-0.9葉と、その傾向は前回までと変わらなかった。1株茎数は前回(最高分げつ期)よりも1.1本減少し、24.8本となった。葉色は前回とあまり変わらず4.7と平年よりも濃い傾向が続いている。実践農場5月9日移植コシヒカリでは、1株茎数は27.0本と、平年よりも1.0本多かった。 葉色は4.5と、前回よりも0.1低下しただけであった。
3) 現地の5月上旬植えは、圃場による差は大きい。前回調査で、コシヒカリで全地点の平均茎数が600本/uを上回ったが、今回は茎数が減少し、全地点の平均茎数は560本/uとなった。しかし、平年値より大きい。葉色は前回調査からほとんど低下しておらず、平年よりもかなり濃い。
4) 5月中旬植えでも、圃場による差は大きいものの、茎数は前回(最高分げつ期)の調査よりも減少し、620本/u〜440本/u程度となった。葉色は依然平年よりも濃い状態が続いている。
5) 湛水直播では前回(最高分げつ期)調査よりも茎数が減少した。6地点の平均で628本/u(766本/u〜488本/u)、葉色は前回よりも濃くなっているところが多い。

病害虫発生状況
1) BLASTAMによると、7月1日(2か所)、7月3日(7か所)、7月4日(3か所)と県内の複数の地点でいもちの感染好適条件日が出現した。葉色が濃く、葉が垂れるなど稲姿が乱れており、発病に注意が必要である。
2) 水稲の茎数が多いので、紋枯病に注意する。特に常発地や前年多発した圃場では菌核が多く、生育過剰田では発病しやすい環境条件となるので、注意が必要である。
3) 虫害関係では、ニカメイチュウが前年多発した地域を中心に局所的に発生している。

対  策
◎本年も移植時期や圃場による生育差が大きい傾向が続いているので、圃場ごとに生育状況に応じた管理を心がける。
 遅植えや直播を中心に、茎数が多くて葉色が濃く、葉が垂れるなど草型が乱れているものが散見される。稲の状態を把握して、倒伏対策の要否を判断する。
 中干しが不十分なものでは、根や土が稲体を支える力も一層弱くなるので、注意が必要である。
移植栽培(移植時期:5月上旬まで)
1) ハナエチゼンについて
 分施体系では、既に1回目穂肥が施肥されていると思われるが、1回目の10日後に2回目穂肥を施肥する。施肥量の目安は、窒素成分で2kg/10aである。1回目穂肥施肥後5〜7日経過しても葉色が淡いままのときは、2回目をやや早くする。
 幼穂形成期以降は、間断通水を励行し、根に水分と空気を供給する。

2) コシヒカリについて
@水管理
 5月上旬移植のものでは、幼穂形成期頃となっていると思われる。幼穂形成期以降は、間断通水を励行し、根に水分と空気を供給する。
A穂肥
 分施体系では、幼穂長を必ず確認し、幼穂長が10mmとなったのを確認してから、穂肥を施肥する。施肥量や施肥時期を決めるにあたっては、幼穂形成期(幼穂長2mmとなったとき)に草丈、茎数、葉色を確認し、「穂肥くん」を参考にして決める。
 基肥一括施肥のものでも、幼穂形成期(幼穂長2mm)を確認し、幼穂形成期以降は間断通水として、肥効の発現を促す。
B倒伏軽減対策
 稲体が軟弱で葉が垂れ葉色が濃いなど稲姿が悪い場合は、倒伏軽減剤の使用を考える。気象予報でも、当面は梅雨空が続き、天候の好転は期待できない。
 幼穂形成期に「草丈×茎数×葉色(葉色板)」の値が16万を超える場合、「草丈×茎数×葉色(SPAD)」の値が146万を超える場合、止葉から数えて上位第3葉身長が45cmを超える場合、など倒伏程度が大きくなると推測される場合は、倒伏軽減剤を使用する。スマレクト粒剤は出穂前15〜10日に10aあたり2〜3kg、ビビフル粉剤DLは出穂前10〜5日に10aあたり3〜4kgというように、使用する薬剤によって使用方法や注意事項が異なるので注意する。

3) イクヒカリについて
 イクヒカリは、穂数は350本/u程度とし、穂を大きくし、登熟を向上させ、粒を大きくして収量を向上させる品種である。これまでの試験でも、幼穂形成期以降、コシヒカリよりも葉色を濃く維持する方が収量が向上し、胴割米が減少する傾向にある。また、水管理の良否が根の活力を左右する程度も大きい。
 5月上旬に移植されたイクヒカリでは、幼穂形成期頃となっていると思われる。圃場によって生育段階が異なるので、幼穂長が2mmとなったのを確認して、穂肥を確実に施肥して葉色を濃くし、登熟期まで葉色を維持するよう、穂肥施肥(確実な穂肥施肥)と水管理(収穫直前までの間断通水)を行う。
 イクヒカリは、短稈で倒伏しにくいこともあり、穂肥は積極的に施肥する。地力の低いところであっても、登熟後半まで葉色を維持するように努める。
 また病害虫では紋枯病やニカイチュウに注意する。

移植栽培(移植時期:5月中旬以降)
 圃場による生育差が大きいが、全般的に軟弱な生育となっており、圃場の生育状況をよく観察する。茎数が多くて葉色が濃い、葉が垂れている、など倒伏の危険性が高いと思われる場合は、5月上旬移植のコシヒカリに準じ、倒伏軽減剤の使用を検討する。
1) 中干し
 幼穂形成期まで中干しを継続し、稲体を硬くし、根を伸ばすよう努める。雨が多い時期なので、雨水の排水に努める。
2) 倒伏軽減対策
 稲体が軟弱で葉が垂れ葉色が濃いなど稲姿が悪い場合は、5月上旬移植のコシヒカリに準じ、幼穂形成期の「草丈×茎数×葉色」の値を把握し、倒伏軽減剤の使用を検討する。

湛水直播栽培
 圃場による生育差が大きいが、生育過剰で稲体が軟弱なものが多い。圃場の生育状況をよく観察する。
1) 強めの中干し
 幼穂形成期まで中干しにより稲体の健全化に努める。茎数が過剰の圃場が多いので、強めに干すのが望ましい。
2) 倒伏軽減対策
 稲体が軟弱で茎数が過剰、葉が垂れ葉色が濃いなど稲姿が悪いものが多いようである。移植コシヒカリに準じ、倒伏軽減剤の使用を考える。幼穂形成期での「草丈×茎数×葉色(葉色板)」の倒伏の危険が高まる値は移植のものよりも小さい。値が12万を超えると倒伏の危険性が高まる。
 直播栽培では、移植よりも根群が浅いことが知られており、茎1本あたりの乾物重も小さいことなどから、移植よりも倒伏しやすいので注意する。

病害虫防除
1) 葉いもち対策
 常発地や生育旺盛なところ、稲体が軟弱で葉色が濃いところなど発病に注意する。
 発病をみたら、治療・予防効果がある粉剤や水和剤で防除する。
2) 紋枯病対策
 前年、発病の多かった圃場では、菌核が圃場に残り、今年も発生が多くなることが予測される。早生の穂ばらみ期(7月中旬頃)に発病株率が10%以上であれば、防除する。また中生では、穂ばらみ期(7月下旬頃)に発病株率が20%以上であれば防除する。
3) 害虫対策
@カメムシ類
 稲の出穂前に畦畔や農道の草刈りをこまめに行い、カメムシの生息場所をなくすように努める。
 薬剤防除は、使用する薬剤によって散布時期が異なるので注意し、適期防除に努める。
Aニカメイチュウ
 前年にニカメイチュウが多発した地域では、直播や遅植え、モチ品種を中心に、変色茎の発生に注意する。また、防除時期は8月初旬頃と予測されている。
4) 稲体が軟弱なもので、特に注意
 5月中旬以降の移植栽培や湛水直播栽培は、移植栽培に比べて稲体が軟弱で、細い茎が多くなるので、葉いもちや害虫の被害が大きくなりやすい。生育も旺盛となってきたので、葉いもちや害虫の発生に注意し、早期防除に努める。
5) 病害虫の今後の動向に注意
 農試病害虫防除室では、7月上旬に県内の病害虫発生状況を調査する。これまでの発生が少ないものであっても、今後も増加しないとはいえない。今後の発生予察情報や防除だより、発生注意報などに注意し、適期防除に努める。
病害虫発生予察情報   http://info.pref.fukui.jp/shokuan/kankyou/syokubou/hyousi.html
農薬の使用にあたっては、使用基準を遵守する。
出穂前のこまめな畦畔の草刈りで、斑点米の発生を少なくしましょう。
水稲の生育状況を把握し、適切な管理に努めましょう。

上記の詳しい資料はこちら (PDF:1,115KB) i稲作情報QRコード
↑携帯電話から
 掲載記事は、PDFファイルを使用しております。PDFファイルをご覧いただくためには、アドビシステムズ社Adobe Reader が必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、こちらよりダウンロードしインストールして下さい。
No1(5月25日)分 No5(6月21日)分
No2(5月31日)分 No6(6月28日)分
No3(6月7日)分
No4(6月14日)分

2002年稲作情報へ
2003年稲作情報へ
2004年稲作情報へ
2005年稲作情報へ
2006年稲作情報へ


ふくいアグリネット。へ

お問合せはnoshi@.pref.fukui.lg.jp

〒918−8215 福井県福井市寮町辺操52-21 
 福井県農業試験場  企画・指導部
   TEL:0776-54-5100 FAX:0776-54-5106