ふくいアグリネット>稲作情報

No.6
since 2007.5.25
last_update 2007.6.29
〜稲作情報について〜
稲作情報は、安定した稲作の参考としていただくために、編集しております。なお、編集につきましては、県内代表地点における生育調査結果と気象情報を参考にしております。


稲作情報作成委員会、水田農業レベルアップ委員会技術普及部会
                 (農業試験場農畜産課JA経済連)より
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■お問合せ先
・具体的相談は、最寄の農業経営支援部課、またはJA(JA福井県中央会のリンク集をご参考ください)にお問合せください。
今回のポイント
◎ハナエチゼンで幼穂形成期!!!
◎茎数は多め、葉色は濃い、このままでは倒伏増加の危険!!
◎幼穂長を確認し、稲姿に応じた穂肥と、倒伏対策を!!!!
◎葉いもちの発病に注意!! 今後の病害虫情報に注目!!
現  況
気象の概要(6月21日〜6月27日、福井地方気象台)
1)
6月21日に北陸地方は梅雨入り(平年より11日遅い)した。
2) この期間、平均気温は22.2℃(平年比±0℃)、最高気温は25.4℃(同-0.9℃)、最低気温は20.1℃(同+1.2℃)、降水量は137.5mm(同250%)、日照時間は11.3時間(同44%)、日射量は10.1MJ/u/日(同72%)であった。高温で多照だった前週とはうって変わり、雨が多く、日照が少なかった。

生育の状況
1) 農試気象対策試験(5月2日移植)では、いずれの品種も、草丈は平年比98〜104と平年並、葉齢の進み方も平年比-0.2葉〜-0.3葉と前回とほぼ変わらなかった。茎数は前回(最高分げつ期)よりもやや低下した(日本晴は前回よりも茎数増加)が、平年比101〜112と平年並〜やや多めとなった。葉色は前回に比べあまり低下せず、平年比106〜119とやや濃い傾向が続いている。ハナエチゼンは6月27日に幼穂形成期(平年より1日早い)となった。
坂井実践農場の5月2日移植のものも葉齢の進み方や葉色の傾向は農試とやや異なるが、やはり茎数は平年並〜多かった。ハナエチゼンでは、前回調査時よりも茎数が増加した。また、ハナエチゼンの幼穂形成期は6月25日と平年より2日早かった。
2) 農試の5月11日移植コシヒカリでは、依然として草丈は平年比81と小さく、葉齢の進み方も平年比-0.9葉と、その傾向は前回までと変わらなかった。1株茎数は前回よりも1.5本増加し、25.9本まで増加した。葉色は前回よりもやや低下したが、4.8と平年よりも濃い。葉齢からみて、ほぼ最高分げつ期くらいと思われた。実践農場5月9日移植コシヒカリでは、1株茎数は29.3本と前回調査と同じ値で、5月2日移植のものとほぼ同じとなった。
3) 現地の5月上旬植えは、圃場による差は大きい。前回調査よりも茎数が減少している地点と、茎数増加の速度が遅かったために後出来となり、前回よりも茎数が増加している地点がみられる。しかも、コシヒカリで茎数が600本/uを超えた地点が9か所と、県全体14か所の6割以上となっている。全地点の平均値も600本/uを上回った。葉色も前回調査からほとんど低下していない。
4) 5月中旬植えでも、圃場による差は大きいものの、茎数は前回の調査よりも増加し、470本/u〜670本/u程度となった。葉色も濃い。
5) 湛水直播では前回調査よりも茎数が増加しているものがほとんどで、6地点の平均で700本/u(540本/u〜890本/u)、葉色も前回並〜やや濃くなっている。

病害虫発生状況
1) 6月下旬現在、県内の定点調査でいもち病の発病は確認されていない。
ただし、普及指導員から、6月24日に葉いもちの停止型病斑を観察した(6月15日頃に感染したものと思われる)との連絡を受けた。
2) 水稲の茎数が多いので、紋枯病に注意する。特に常発地や前年多発した圃場では菌核が多く、生育過剰田では発病しやすい環境条件となるので、注意が必要である。
3) 虫害関係では、イネミズゾウムシやイネゾウムシの発生面積が多い。
ニカメイチュウは局所的に多発している。
カメムシ類の雑草地でのすくい取りや草刈り調査では平年よりも少ないが、クモヘリカメムシの生息地域が拡大しているので、今後のカメムシ発生に注意が必要である。

対  策
◎本年も移植時期や圃場による生育差が大きい傾向が続いているので、圃場ごとに生育状況に応じた管理を心がける。

移植栽培(移植時期:5月上旬まで)
 現在、葉色が濃く、葉が垂れ気味となって、条間が見えなくなっている圃場も多いようである。コシヒカリでは稲体を硬くするよう努める。
1) ハナエチゼンの穂肥について
 分施体系で、1回目の穂肥がまだの場合は、幼穂長(1〜2mm)を必ず確認して、施肥する。
 既に1回目穂肥が施肥されている場合は、1回目の10日後に2回目穂肥を施肥する。施肥量の目安は、窒素成分で2kg/10aである。1回目穂肥施肥後5〜7日経過しても葉色が淡いままのときは、2回目をやや早くする。
 基肥一括肥料を施肥したものでも、土壌水分が不足すると窒素の吸収が抑制され、肥効が劣ることがあるので、幼穂形成期には通水する。また、幼穂形成期から10日くらい経過しても分施体系のものよりも葉色が淡いままの場合、出穂期10日前〜14日前に施肥して、葉色を濃くする。
 幼穂形成期以降は、間断通水を励行し、根に水分と空気を供給する。
2) コシヒカリについて
@中干しの継続、水管理
 現在、葉色が濃く葉が垂れるなど草型が乱れているもの、過剰分げつ傾向となっているものがかなり見受けられる。中干しの継続で、稲体の硬化と根の伸張促進に努めて欲しい。中干しは幼穂形成期直前まで継続する。ただし、中干し時にも圃場の状態をよく観察し、雨が続くときには排水は良好か、無降雨が続くときには圃場のヒビ割れが過剰となっていないか(カラ梅雨のときは、時々通水して土が乾きすぎるのを防ぐ)、に注意する。
 幼穂形成期以降は、間断通水とする。
A穂肥
 分施体系では、幼穂長を必ず確認し、幼穂長が10mmとなったのを確認してから、穂肥を施肥する。施肥量や施肥時期を決めるにあたっては、幼穂形成期(幼穂長2mmとなったとき)に草丈、茎数、葉色を確認し、「穂肥くん」を参考にして決める。
 基肥一括施肥のものでも、幼穂形成期(幼穂長2mm)を確認し、幼穂形成期以降は間断通水として、肥効の発現を促す。
B倒伏対策
 稲体が軟弱で葉が垂れ葉色が濃いなど稲姿が悪い場合は、倒伏軽減剤の使用を考える。幼穂形成期に「草丈×茎数×葉色」の値が16万を超える場合、止葉から数えて上位第3葉身長が45cmを超える場合、など倒伏程度が大きくなると推測される場合は、倒伏軽減剤を使用する。薬剤の種類により使用時期が異なるので注意する。
 また、毎年のように倒伏する圃場では、施肥法や栽培管理方法を点検し、次年度以降の栽培方法の改善に取り組む。
3) イクヒカリについて
 イクヒカリは、コシヒカリよりも葉色が淡い性質の品種であるが、幼穂形成期以降は、コシヒカリよりも葉色を濃く維持する方が収量が向上し、胴割米が減少する傾向にある。穂肥を確実に施肥して葉色を濃くし、登熟期まで葉色を維持するよう、穂肥施肥と水管理を行う。また病害虫では紋枯病やニカイチュウに注意する。

移植栽培(移植時期:5月中旬以降)
 圃場による生育差が大きいが、生育が過剰となってきており、圃場の生育状況をよく観察する。
1) 中干し
 中干しを継続し、稲体を硬くするように努める。葉が垂れ、茎数が過剰となっているものが多いので、強めに干す。中干しは幼穂形成期まで継続する。
2) 倒伏対策
 稲体が軟弱で葉が垂れ葉色が濃いなど稲姿が悪い場合は、5月上旬移植のコシヒカリに準じ、幼穂形成期の「草丈×茎数×葉色」の値を把握し、倒伏軽減剤の使用を検討する。

湛水直播栽培
 圃場による生育差が大きいが、生育過剰で稲体が軟弱なものが多い。圃場の生育状況をよく観察する。
1) 強めの中干し
 中干しにより稲体の健全化に努める。茎数が過剰の圃場が多いので、強めに干す。
2) 倒伏対策
 稲体が軟弱で茎数が過剰、葉が垂れ葉色が濃いなど稲姿が悪い場合は、移植コシヒカリに準じ、倒伏軽減剤の使用を考える。幼穂形成期での「草丈×茎数×葉色」の倒伏の危険が高まる値は移植のものよりも小さく、12万を超えると倒伏の危険性が高まる。

病害虫防除
1) 葉いもち対策
 常発地や生育旺盛なところ、稲体が軟弱で葉色が濃いところなど発病に注意する。
 発病をみたら、治療・予防効果がある粉剤や水和剤で防除する。
2) 害虫対策
@カメムシ類
 畦畔や農道の草刈りをこまめに行い、カメムシの生息場所をなくすように努める。
Aニカメイチュウ
 前年にニカメイチュウが多発した地域では、直播や遅植え、モチ品種を中心に、変色茎の発生に注意する。また、防除時期は8月初旬頃と予測されている。
3) 稲体が軟弱なもので、特に注意
 5月中旬以降の移植栽培や湛水直播栽培は、移植栽培に比べて稲体が軟弱で、細い茎が多くなるので、葉いもちや害虫の被害が大きくなりやすい。生育も旺盛となってきたので、葉いもちや害虫の発生に注意し、早期防除に努める。
4) 病害虫の今後の動向に注意
 農試病害虫防除室では、7月上旬に県内の病害虫発生状況を調査する。これまでの発生が少ないものであっても、今後も増加しないとはいえない。今後の発生予察情報や防除だより、発生注意報などに注意し、適期防除に努める。

病害虫発生予察情報   http://info.pref.fukui.jp/shokuan/kankyou/syokubou/hyousi.html
農薬の使用にあたっては、使用基準を遵守する。
7月1日は「一斉草刈りデー」です。
出穂前のこまめな畦畔の草刈りで、斑点米の発生を少なくしましょう。

上記の詳しい資料はこちら (PDF:391KB) i稲作情報QRコード
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No2(5月31日)分
No3(6月7日)分
No4(6月14日)分

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