ふくいアグリネット>稲作情報

No.2
since 2007.5.25
last_update 2007.6.1
〜稲作情報について〜
稲作情報は、安定した稲作の参考としていただくために、編集しております。なお、編集につきましては、県内代表地点における生育調査結果と気象情報を参考にしております。


稲作情報作成委員会、水田農業レベルアップ委員会技術普及部会
                 (農業試験場農畜産課JA経済連)より
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■お問合せ先
・具体的相談は、最寄の農業経営支援部課、またはJA(JA福井県中央会のリンク集をご参考ください)にお問合せください。
今回のポイント
◎移植時期や圃場による生育差が大きい
   5月5日頃までに移植されたものでは溝切りを実施し、
   中干しの準備を!
◎5月中旬移植や湛水直播では、浅水管理で分げつ促進を!!
現  況
気象の概要(5月21日〜5月30日、福井地方気象台)
1)
この期間、平均気温は平年よりも+0.2℃、最高気温は+0.9℃、最低気温は-0.3℃、降水量は平年比85%、日照時間は142%、日射量は124%であった。
2) 降雨の日が少なく、晴れた日が多かったため、朝晩は気温が低くなったが、日中の気温は高い日が多かった。
3) 5月24日には、福井で29.0℃、小浜では30.8℃を記録した。5/26には黄砂現象が確認された。

生育状況
1) 農試気象対策試験では、5月2日移植は、いずれの品種ともに、草丈は平年比94〜101%と平年並であった。しかし、葉齢は平年比-0.4〜-0.6葉と3〜4日程度遅く、そのため茎数は平年比77〜87%とやや少なかった。また、葉色は平年比90%程度であった。
2) 農試の5月11日移植コシヒカリでは、葉齢が平年比-1.0と約1週間遅く、そのため茎数も平年比64%に留まった。実践農場5月9日移植コシヒカリも葉齢は平年並であったが、茎数は平年の55%と少なかった。移植時期による茎数増加の差が大きかった。
3) 現地の5月上旬植えは、圃場による差はみられるが、草丈は平年並〜やや短く、茎数は平年並〜やや少ない、葉齢も平年並〜やや少ない、葉色は平年並〜やや淡い、となっているところが多いようである。
4) 5月中旬植えでは、葉齢の進み方は遅いが、茎数の地点差が大きく、平年並のところと、少ないところがある。
5) 湛水直播では、前年に比べ草丈が小さいが、出葉速度はほぼ順調で、分げつも増加している。
 この期間、日照は多かったものの、5月27日以降気温が低い日が続き、葉齢の進み方が平年に比べ、やや遅れている状態が続いている。そのため暦日を基準にした茎数は少ないが、葉齢を基準に茎数をみると、全体としてはほぼ平年並みである。

病害虫発生状況(農試病害虫防除室調査結果から)
1) 5月下旬現在で、本田や補植用苗で葉いもちの発病は確認されていない。しかし、6月は高温・寡照・多雨と予測され、葉いもちの全般発生開始期(初発)は平年よりやや早い6月第4半旬と見込まれている。
2) 県内各地で、イネミズゾウムシ、イネゾウムシ、ヒメハモグリバエ、イネドロオイムシ等が確認されている。5月中旬以降やや低温傾向となっており、低温で被害が大きくなるヒメハモグリバエ、イネドロオイムシが、またイネゾウムシが平年並〜やや多い傾向となっている。

対  策
◎ 移植時期による生育差が大きいので、圃場ごとに生育状況に応じた管理を心がける。
移植栽培(移植時期:5月上旬まで)
1) 水管理
 目標茎数を確保するまでは、浅水管理とする。
2) 溝切り
 近年、圃場の大区画化等により、圃場内の生育を揃えることが難しい事例が増えており、斉一な水管理で生育を揃えるためにも、溝切りは重要である。
◎手 順
@軽く田干しをして表面の土を固める。
A水口と圃場内の高いところ、水尻と圃場内の低いところをつなぐように意識して溝を切る。
B溝は3〜5mに1本が目安となるが、圃場の条件に応じて加減する。
C土が戻って溝が埋まったら、再度土を固めて切り直す。
 5月5日頃までに移植されたものは、茎数も増加して、6月10日頃までに中干しを開始できるところも多いと思われるので、溝切りをして、いつでも中干しができるようにしておく。
3) 中干し
 茎数が目標茎数(350〜400本/u程度)となったら、中干しを開始する。
 8葉期となったら中干しの時期となるので、5月5日までに移植されたところでは、現在の葉齢からみて6月10日頃には中干しを開始する。
 湿田や生育過剰の水田では強めに干し、砂壌土水田や漏水田では弱めの中干しとする。
4) 当面の茎数増加の目安
 今後の天候が平年並で推移すると、6月8日の茎数は、6月1日の茎数のほぼ1.6倍となると想定される。日照時間が多ければ、茎数増加程度は大きくなる(次ページのグラフ参照)。そのため、管理作業は遅れないように、早め早めで準備する。
図 6月上旬の日照時間と農試気象対策試験コシヒカリの茎数増加程度
図 6月上旬の日照時間と農試気象対策試験コシヒカリの茎数増加程度
 (1984年〜2006年の23年間の値、横軸は福井地方気象台のデータ、
 縦軸は気対コシヒカリの(6月8日の茎数)/(6月1日の茎数)=茎数の増加程度)
5) 葉いもち対策
 補植用の置き苗がまだ残っている場合は、早急に撤去する(ひっくり返して土中に埋めるなど)。
 いもち病予防粒剤を苗箱施薬していないものでは、いもち病予防粒剤の本田施用時期は6月上旬である。施用は3〜4cmの湛水状態で行い、その後自然落水(自然に水が引いてくる)とする。6月中旬になると、中干しの時期と重なるため、施用後の水管理が難しくなるので、6月上旬のうちに施用する。
6) 害虫対策
 本田初期害虫対策の苗箱施薬をしていない圃場では、イネミズゾウムシ等の被害が多くなることも懸念されるので、発生状況に注意し、早めに防除する。
※ 農薬の使用にあたっては、使用基準を遵守する。
7) イクヒカリ
 穂数の目安は350本/u程度であり、他の品種よりもやや少ない。目標茎数に達する時期もコシヒカリやハナエチゼンより早くなると想定されるので、中干し開始時期は遅れないようにする。
 病害虫では紋枯病やメイチュウに注意する。また、昨年までは葉いもちの発病はみられていないが、これまでの抵抗性品種も奨励品種採用後数年後には罹病化しており、今後注意が必要である。
移植栽培(移植時期:5月中旬以降)
葉齢の進み方が遅く、生育差が大きいので、圃場の生育状況をよく観察する。
1) 水管理
 浅水管理により、分げつの促進と稲体の健全化を図る。
2) 田干し
 湛水の継続は、「ワキ」が発生して、根腐れをおこすので、「ワキ」がみられたら軽い田干しを行う。
 5月中旬移植では、中干しの時期が梅雨入り後となり、なかなか干せないことが多いので、今のうちから、意識して時々田干しと入水を繰り返す。
3) 病害虫防除
 病害虫防除は5月上旬移植のものに準ずる(葉いもち予防粒剤の施用時期も6月上旬のうちに)が、移植時期の遅いものは、稲体が軟弱となりやすく、葉いもちの発生や害虫の食害が多くなるので、よりいっそうの注意が必要となる。

湛水直播栽培
1) 水管理
 目標茎数(およそ300本/u)が確保できるまでは、浅水管理を継続し、分げつを促進する。
2) 中干しは遅れずに
 湛水直播栽培では、茎の生長点の位置が移植栽培よりも浅いため、茎数が増加しやすい。また晩植栽培と同様、草丈が短く茎が細いうちに目標茎数となるので、生育量を見誤りやすい。そのため、茎数の確認により中干しを遅れないようにする。特に、苗立数が多かったところや地力の高いところでは遅れないように注意する。
3) 中干しは遅れずに
 湛水直播栽培では、茎の生長点の位置が移植栽培よりも浅いため、茎数が増加しやすい。また晩植栽培と同様、草丈が短く茎が細いうちに目標茎数となるので、生育量を見誤りやすい。そのため、茎数の確認により中干しを遅れないようにする。特に、苗立数が多かったところや地力の高いところでは遅れないように注意する。

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No1(5月25日)分

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